このページは、リク編 第2話「ちゃんとしなさい」の絵本ページです。朝の食卓で、リクがパンの欠けたところを見つめて止まる場面を描いています。絵本のあとに、ことばのページ・本文書き起こし・保護者向けの読み取りメモを掲載しています。
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ことばのページ|読み終わったあとに親子で話す問い
「ちゃんと」って、
なんだろう?
リクは、欠けたところを、
じっと見ていたね。
ちゃんとできなかった、
と思ったのかな。
それとも、ただ、
見ていたかっただけかな。
答えは、わからなかった。
でも、足は、
前に出ていた。
📝 本文書き起こし
コーキの探偵日記 リク編 第2話
「ちゃんとしなさい」
そのひとことで、こころは、きゅっとなった。
朝だった。
リクは、椅子に座っていた。
食卓の上に、パンがあった。
窓から、光が差し込んでいた。
リクは、パンを持った。
でも、そのままだった。
でも、口には、運ばなかった。
手の中に、ただ、あった。
パンのはしが、少しだけ、かじられていた。
そこだけが、違っていた。
リクは、それを見ていた。
リクは、欠けたところを、じっと見ていた。
「ちゃんと、食べなさい」
声が、来た。
ちゃんと。
その言葉が、しばらく、そこに残った。
お父さんが席を立った。
食卓が、少し広くなった気がした。
椅子が、空いていた。
リクは、外を歩いた。
「ちゃんと」が、まだ、頭の中にあった。
「ちゃんと、って……」
言いかけて、止まった。
コーキは、急がずに、歩き続けていた。
足が、前に出ていた。
答えは、まだ、わからなかった。
でも、足は、出ていた。
📖 保護者向けの読み取りメモ
第2話「ちゃんとしなさい」は、朝の食卓でリクがパンの欠けたところを見て止まる場面を描いています。「ちゃんと」という大人の言葉が、子どもの中でどう響くかを、絵本としてたどっています。
1. なぜリクは、欠けたところを見ていたのか
子どもは、大人が思う以上に細部に目を向けることがあります。パンの形が「いつもと違う」ことに気づき、その違和感のまま、口に運べなくなる。それは「食べたくない」のではなく、いま目の前にあるものを、内側で整理している時間です。
2. 「ちゃんと」という言葉の輪郭
「ちゃんとしなさい」は、大人にとっては伝えやすい言葉です。でも、子どもにとっては「どこに向かえばいいか分からない、形のない指示」になることがあります。リクの中で「ちゃんと」だけが残り続けたのは、その輪郭が見えなかったからかもしれません。
3. コーキは、何をしたのか
外を歩く場面で、コーキは何も説明しません。リクが「ちゃんと、って……」と言いかけて止まったときも、急がずに歩き続けるだけでした。答えを与えるのではなく、答えを探す時間をとなりで保つこと。それが、リクの足を前に出させていきます。
4. 親子で話してみたいこと
・「リクは、なんでパンをじっと見てたのかな?」
・「『ちゃんと』って、どういうこと?」
・「答えがわからないまま、歩くって、どんな感じ?」
答えを出す必要はありません。問いを置いておくだけで十分です。
たとえば「ちゃんと食べなさい」と言う前に、「パンの形が気になった?」「どこから食べるか迷った?」のように、子どもが見ているものを一緒に確認する声かけもできます。
5. 関連する物語
・大人編 第2話「ちゃんとしなさい」──父の側で起きていた焦り
・ナオ編 第2話「ちゃんとしなさい」──「ちゃんと」の形が見えないままの内側
・大人編 思想章「言葉が基準になるとき」──「ちゃんと」が基準になる構造
※ この物語は、診断や治療、支援方針の代替ではありません。困りごとが続く場合は、専門の医療機関・相談機関にご相談ください。
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