2026-05

ナオ編

【ひとりにして】近すぎると苦しい心と、ちょうどいい距離〈ナオ編 第9話〉

ナオ編・第9話 ひとりにして 教会の前まで来たとき、 ナオは足を止めた。 中から音はしない。 扉は閉まっている。 でも、ここは静かすぎて、 逆に入りやすかった。 ナオは扉に手をかけた。 押すと、少し重くて、 ゆっくり開いた。 きい、と小さな...
ナオ編

【わるくないのに】責められていないのに涙が出る夜〈ナオ編 第8話〉

ナオ編・第8話 わるくないのに 夕方だった。 夕飯はもう終わっていた。 皿は片づけられて、 テーブルの上は、きれいだった。 リビングには、父とナオだけがいた。 父はソファに座って、新聞を広げていた。 ページをめくる音が、ときどきした。 ナオ...
ナオ編

【集中できない】止まれなかった時間にあった“集中”の正体〈ナオ編 第7話〉

ナオ編・第7話 集中できない 教室は、いつもよりにぎやかだった。 机が後ろに寄せられて、床には大きな紙が広げられている。 文化祭の準備だった。 クラスの出し物は、演劇。 ナオは、大道具係になっていた。 背景の絵を描く役だった。 筆を持つと、...